元進学塾講師のひとりごと

教育業界に10年以上身を置き、進学塾で数百人の生徒を受け持った元塾講師が、教育について思うことをつぶやきます。

「良い」「悪い」は思い込み。

自分が思う「良い」「悪い」に縛られている人が多いように思います。

子どもはもちろん、大人もです。

大人も、というよりは、大人の方が縛られているかもしれませんね。

 

以前、こんなことがありました。

 

将来カウンセラーになりたいという中学生の女の子。

 

多感な時期だということもあり、友人関係で悩み、涙することが多くありました。

 

周囲が気になり、情緒不安定になり、そこから自己嫌悪に陥ることがよくあったのです。

 

普段は勉強も良くできる、いわゆる「優等生」です。

「明るく元気でまじめな優等生」。

 

でも内心は、いろんなプレッシャーと戦っていたのでしょうね。

「良い成績とらないといけない」

「みんなに好かれないといけない」

「いつも明るく前向きでなければいけない…」

 

まじめすぎるあまり、家ではふさぎこむこともあったようです。

 

保護者の方はおっしゃいました。

 

「気にしなくても良いような些細なことでも気にして、

勝手に落ち込んで、情緒不安定になるんです・・・

カウンセラーとか目指すなら、もっと自分をしっかりもって、人を励ますような明るい人にならないといけないのに」と。

 

些細なことで悩んで、

くよくよして・・・というのは、その保護者の方には、

「直すべきこと」「良くないところ」と映ったのでしょう。

 

一般的にもそう思われることが多いかもしれませんね。

 

でも、よく考えてみてください。

 

それは本当に、「悪いところ」なのでしょうか?

 

 

些細なことにも気がついて、

人の気持ちを推し量ることができ、

周囲に気配りができるというのは、立派な長所です。

 

 

また、同じように悩んでいる子はきっとたくさんいます。

 

 

そんな子の気持ちを分かってあげられるのは、同じように悩んだ子だと思うのです。

 

 

そう思えば、今その女の子が感じていることや、経験していることは、

その子にしかない立派な財産ですよね。

 

 

思い悩むことは、行き過ぎると確かに精神衛生上でも良くはないかもしれませんが、

そのこと自体が「直すべき悪いところ」ではないと思うのです。

 

 

ものごとに「良い」「悪い」はなく、(そりゃ法律とか絡んだらあれですけど!)

それは勝手に人が決めているだけだ、と私は考えています。

 

 

子どもたちには、いろんな長所があります。

一見短所と思えるところも、捉えようによっては長所になりえます。

 

 

いったん、自分の思い込みを外して、向き合ってみること。

 

 

このことはとても大切だと思います。

 

 

今日はここまで。また書きます!

 

 

maryyoi